色素沈着してしまったニキビはどうすれば良いでしょうか。

J.Lさん(女性 20代)

ニキビができた後に、きれいに治らずに何らかの跡が残ってしまうケースが時にありますね。

ごく薄い赤みなどであれば、自然に目立たなくなっていくことも期待できますが、ニキビに起きた炎症を長引かせたり、初期対応を誤ってこじらせてしまったりすると、もっと深刻な事態、例えばニキビができていた部分が茶色っぽく、あるいは黒っぽく色素沈着して変色してしまったり、あるいはお肌に目立つデコボコができてしまったりする、俗に言う「クレーター」になってしまったりすることがあります。

今回は、このニキビ跡のうち、色素沈着を起こしたもの、およびそのケアについてお話ししたいと思います。

ニキビ跡が色素沈着する2つのパターン

ニキビ跡が色素沈着するパターンとして、大きく分けて二つのものがあります。

一つ目は例えて言うなら血豆のような色の赤黒い、あるいは赤紫に近い色の色素沈着が起こるもの。これは、血液中の酸素の運搬係として知られるヘモグロビンという色素が関連しているタイプの色素沈着であると考えられます。
ニキビができ、これが激しい炎症を起こして、皮膚の表面側にある表皮と呼ばれる層を越え、真皮と呼ばれるより深い層までダメージが及んだ場合、真皮層に存在する細かい血管(毛細血管と呼ばれます)が壊れて中の血液が、毛細血管周辺の組織中に出てきてしまいます。

この血液に含まれるヘモグロビンという色素は、動脈血を思い浮かべていただければわかるように、酸素と結合しているときは鮮やかな赤色ですが、酸素を失い還元型のヘモグロビンになってしまうと、静脈血のようにどす黒い色に変化してしまいます。

このヘモグロビンが血液が組織に漏れ出たことによって、結合していた酸素を失い、どす黒い血豆のような色になって残留し、肌を通じて透けて見えているものがこのタイプの色素沈着ということができますね。

もう一方は、まるで日焼けによるシミのように茶色っぽく色素沈着してしまうケースです。
それもそのはず、この色素沈着には日焼けをしてしまったときにできるシミと同じように、メラニンと呼ばれる色素が関係しています。

このメラニンは、もともとは皮膚を外からの有害な刺激から守るために存在している物質です。このメラニンがなぜ紫外線などの関係しないニキビ跡の話に出てくるのかというと、ニキビができ、炎症を起こしたときに出てくる活性酸素が、メラニンの産生を促進する働きがあるためと考えられています。

皮膚の比較的浅い表皮部分にメラニンが沈着した場合はまだ良いなのですが、真皮にメラニンが沈着してしまうと長い間、消えないニキビによる色素沈着となってしまうこともあります。

色素沈着してしまったニキビ跡のケア方法は?

ではこういった、ニキビ跡としての色素沈着が起こってしまった場合、どのようにケアをすれば良いのでしょうか。

時間はかかっても、少しずつでも自分でできるケアで薄くしていきたい、といった場合は、やはり洗顔や保湿といった基本を大切に、お肌の自然なターンオーバーを促していくことが大切になります。
もちろん、お肌を作るたんぱく質や健康なお肌に不可欠なビタミン・ミネラルを十分取り入れた食生活を心がけることも大切でしょう。
色素沈着の深さや濃さなど、状態にもよりますが、こうした心がけを続けていけば、徐々に色素沈着が薄くはなっていくことが期待できます。

ただ、色素沈着だけでなくクレーターも併発している場合、あるいはできるだけ早く色素沈着を目立たなくしたい、といった場合には、やはり皮膚科や美容皮膚科といった医療機関でプロフェッショナルの行う治療が必要になってきます。

効果も高い場合が多く、自分に適した治療を選んでもらえる、といった利点もありますね。費用や通院回数なども含め、自分に合った方法を見つけられると良いですね。

【医師監修】アクネクリニック 院長

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