妊娠【医師監修】
どんな時でもできると嫌なニキビ…。人に会う予定があったり、イベント前に目立つ場所にニキビを発見してしまうと、本当にがっかりしてしまいますね。デリケートな気分や体調がよくないとき、ニキビに悩むのも辛いものです。そして妊娠している方も、ニキビと無縁ではいられません。
ここでは妊娠とニキビの関係について説明します。
妊娠中のいや〜なニキビ。原因・予防法・改善法について！
妊娠中の変化とは
妊娠中は、女性は精神面、身体面ともに大きく変化していきます。もちろん、赤ちゃんを迎える準備として変化していく嬉しさ、晴れがましさも大きいでしょう。しかし、特に安定期に入るまでは体質によってはつわりが強く一日中調子が悪い、食事も満足にとれない…といった場合もあります。
それ以外にも、気分が不安定になったり、むくみやすくなったり、食欲が異常に出てきて体重の増加が気になったりと、まったく体調が落ち着く暇がないのが妊娠中の特徴といえるでしょう。
後期に入ってくるとつわりはなくなる方が多いものの、今度は頻尿や不眠、おなかが重くて腰痛なども出てくることがあります。これだけ全身が変化する妊娠中、お肌の状態も変化しないわけがありません。
妊娠中のお肌の状態
まず、妊娠3ヶ月くらいまでのいわゆる妊娠初期は、ホルモンの状態などから特に肌荒れ、ニキビを起こしやすい時期と言えるでしょう。
女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが、妊娠の安定・維持のために大量に分泌されます。このプロゲステロンというホルモンは、排卵後、生理の前の体調にも大きな影響を与えることが知られているホルモンであり、皮脂の分泌を盛んにもするし、お肌を乾燥しやすくしたりもします。
これらは普段とはまったく異なるレベルで大量に分泌されるので、妊娠初期は特にニキビができやすい状態になってしまうのです。
また、妊娠が中期、後期と進んでいくにつれ、ホルモンの状態も安定してきて、ニキビは初期よりは改善してくることが多いようです。出産後には、元通りきれいな肌に戻ることがほとんどです。
妊娠中もニキビ予防には、洗顔第一
妊娠中、ニキビを避けたいと思う方は多いでしょう。しかし実際のところ、完全に予防するというのは難しいことです。
先にも述べたように普段とはケタ違いにたくさんのホルモンが分泌されますし、体調も落ち着かず精神面でもストレスがかかってしまうため、アクネ菌にとってはかなり繁殖しやすい環境が整ってしまうことになるからです。
幸運にもこれまで、ニキビとは無縁の生活を送ってこられた方でも、妊娠して初めてニキビができてしまった…などという例もあります。また、妊娠中はお腹の赤ちゃんのために薬の服用もできるだけ控えたいですし、サプリメントや化粧品なども成分によっては避けたほうが良い場合が多いです。
ですので、ニキビができてしまった場合も治療法が限られます。基本になるのは、やはり正しい洗顔と保湿です。
ニキビは毛穴に皮脂や皮膚の老廃物、あるいは細かなホコリなどが詰まってしまい、その部分にアクネ菌が繁殖することにより起きるもの。これをきちんと洗い流して肌を清潔にし、しっかり保湿を行うことで、お肌のターンオーバーが正常に行われる助けになります。
妊娠中の、ニキビ改善のための食事
洗顔と保湿以外に妊娠中にニキビのためにできることといえば、やはり食生活の見直し、生活リズムを整えて睡眠を十分とる、といったことでしょう。
食事面では、赤ちゃんの健康のために全体的にバランスよく食事を取ることが非常に大切です。緑黄色野菜や果物から採れるビタミン類や、乳製品に多く含まれるカルシウムなどは油断すると不足しがちな栄養素なので、意識して摂取すると良いですね。
ビタミン類はお肌の健康に、カルシウムは精神の安定に一役買ってくれる、妊婦さんにはとてもありがたい成分です。ただしビタミンAなどの摂りすぎは妊婦さんに好ましくない場合もありますので、くれぐれも適量をバランスよく、ということが大切です。
【医師監修】アクネクリニック 
院長
妊婦さんのニキビは、妊娠中にある体調不良の一つです。妊娠中独特の気持ちの変化もあって、つい悲観的になったり、深刻に捉えてしまいがちになるかもしれませんが、妊娠の期間が過ぎればほとんど自然に消えていきます。
ストレスも、ニキビを作ったり悪化させたりする要因になりますので、あまり悩みすぎず「跡さえ残らなければとりあえずOK」と気軽に考えましょう。ただでさえ、些細なことまで心配になりやすい妊娠期の悩みを増やさないようしましょう。
